大学で出会った男女5人のありがちな日常の描写の中に非日常と超日常をちりばめて出来た青春ストーリー。大学生のグループを登場させるとテンポがよくなる伊坂幸太郎の得意なパターンって感じですが、今まで読んだ中でもこれが一番好きと言えるほど気に入りました。
鳥井、東堂、西嶋、南、個性的な面々が起こす事件を、主人公だけど一番地味とも言える北村の視点と語り口でひょうひょうとまとめた感じがテンポを良くしています。ズバ抜けてキャラの立っている西嶋を初め全員のイメージが思い浮かぶほど人物像がハッキリしていて、まるで実際に彼らと一緒に居たような気分になる。読み終わるのが寂しいとさえ思えるほど物語に入って行ってしまう作品ですね。
無性に爽やかな青春ストーリー、でもそんなにベタベタじゃないやつ、を読みたいと思うことがあるのですがこれはまさしくそれ。図書館で借りたやつを読んだのですが、kindle版を買って持って置こうと思うぐらい気に入りました。^_^