里紗が、どうして二つ折りの携帯電話じゃなくて、iPhoneがいいの?と素朴に聞いてきたので、そのことについて自分が考えていることを書いておきたいと思います。(里紗にもこれの簡略版で説明)

単に、iPhoneなら色んなことが出来るから、ということではなくてこれからネットはもっと安全で、簡単で、便利なものになっていく、それに対応するにはいわゆるガラケーではダメで、スマートフォンぐらいの性能が必要だから。

携帯電話のセキュリティを考える上で、メールというのは最大のネックになっていると思う。例えばWebサイトにアクセスしなくても、向こうから成りすましてやってくるメールというのは初心者にはそれが悪意のあるものなのか、そうでないのかの区別は難しい。なのでフィッシングメール等のメールを経由した被害というのが絶えない。メールを経由しての被害という意味では、ネットに詳しくない人だけでなく、そういった職業の人でさえうっかり被害にあってしまうこともある。メールを経由して内部から侵入を許してしまう例があるのもそういうこと。

メールの安全という意味では、日本のキャリア(携帯電話会社)は頑張ってたと思う。迷惑メール防止機能も充実してると思う。ただし、各社独自にやったおかげで自由なメッセージングが出来なくなってたのも事実だと思う。

メッセージング(あえてメールとは書かない)を安全、便利に、簡単に、というのを実現するもの現実解がソーシャルネットワークだと思っています。ソーシャルネットワークだったら、信頼した相手しか自分にメッセージを送れない(細かい点を突けばここは必ずしも正しいとは限らないけど大枠ではこの通り)し、自分で信頼関係を自由に設定できるし、なにより携帯電話会社が変わっても連絡先が変わることはない。安全、便利、簡単なメッセージングを実現できる最も現時点で現実的なプラットフォームだと思う。

それでも人間が使う機械がプリミティブなネットワークに繋がる以上、メールといったプリミティブな手段でやってくる悪意は防ぎきれない。なので、ネット側だけじゃなくて機械の方もプリミティブなネットワークを完全に切り離して、リッチなネットワークに繋がる必要があると思うし、それにはそれなりの性能とプラットフォームが必要。その現実的な解がスマートフォンじゃないのかなと。ガラケーでも出来なくはないと思うけど、現在の状況を見たら、ね(苦笑)

ソーシャルネットワークとiPhone(あえてスマートフォンとは書かない)、この組み合わせが今のところ一番安全なメッセージングプラットフォームじゃないのかなと思うし、将来的にはこの形が標準になると思う。Androidもそろそろ看板だけのオープンを下ろして安全なネットワークに参加すべき。

まぁ、色んな意見があると思うけど、自分はそう思っています。

モノを作って行く上で必要なものの一つに、作るモノに対する”愛”ってのがあるとつくづく思う。どんなものを作ったら売れるか?儲かるか?ってのは、企業として当然重要なこととは思うけれど、売れれば良い、儲かればいいって風潮になってるんじゃないかなと思う。

自分はこんなものを作りたい、だからこうしたい、ここは譲れない、これはこんな人に使って貰いたい、自分の作ったものを自慢したい、自分が実現したことを自慢したい、そういう気持ちってやっぱり作ったものに対する愛情があるからなんじゃないかと。

最近、何かとSteve Jobsの話題が取り上げられることがあって、”細かいところまで拘りの強い人”みたいな言われ方をしているけれど、もっと簡単に言うと自分が作ったものにとことん愛情を注いでたってことなんじゃないかなと思っています。Keynote Speechで嬉しそうに新製品を発表するSteveの姿に愛を感じずには居られない。

自分も自慢できる製品、拘って作った製品や機能がいくつかあります、どうしても譲れないから休みの日も使ってソースを大幅に書き直したこともある。やっぱりそういうことって大切だと思う。

作っている物に対する愛があればこそ、より良いものは出来るんだと確信しています。

ちょっと前の話ですが、E3で発表された”Wii U”の話です。
E3で発表された”Wii U”、正直ガッカリしたというか多くの方があまり新しい感が無いと感じたのでは無いかなと思っています。WeとYouというコンセプトワードは悪くないと思うのですが、商品としては既存のWiiに新しいオプションを付けましたぐらいにしか見えなくて、DSとかWiiが出た時の新しい体験が出来そうな感じが伝わってこない。多分、それほど新しい体験はないんじゃないかと思ってます。

私自身は、家庭用ゲーム機の世界で”据え置き”と”ポータブル”の2つの系統がこれからも残って行くとはあまり思ってなかったので、そういう意味ではそこに新しい答えを任天堂が出してくるのでは?と思っていたのですが、そうでも無かったようで”据え置き型”と”ポータブル型”の延命策に出たなという印象でした。

従来のように据え置き型=高性能、ポータブル=低性能という図式はもう無くなりつつあると思うのです。技術的にはポータブル機でもFull HD(1920×1080)の表示性能は実現可能だと思います。
なので、Full HD対応DSを出して、テレビにつなぐようのDockみたいなのを出せば、持ち出した時はポータブルゲーム機として、帰ってDockにおけば据え置き型機として使う、みたいなこともそんなに難しいことではないのかなと思います。ソフトも大きな筐体を必要とする光学メディアではなくてネットからのダウンロード販売が可能になりますから、光学メディアを搭載する→大きな筐体が必要ということもありませんしね。

おそらく、ですが。この議論は任天堂やSONY内部ではおそらく起こっているのでは?と思っています。
でも、それをやってしまうと従来DSとWiiという2種類のハードウェアとそれぞれ用のソフトが売れて利益を出すことが出来ていた二つの市場が一つになってしまいます。メーカーが自ら自分の市場を小さくする意味はないですもんね。

任天堂としては、DSを売り、Wiiを売って利益を出すという今の形を継続したい、もしそこを崩すなら新しいビジネスの形を見いださないといけない、でもそれが無かった、だから延命策としての”Wii U”なのかなと。そういう意味では”PlayStation Vita”も同じように思います。”PlayStation Vita”は普通にPSPの正常進化に見えていて”Wii U”ほど違和感を感じなかっただけで、抱えている問題は同じかも。

とりあえず、現行”Wii”との後方互換性の維持という建前でなんとか今回は成立したかもしれないけれど、その次はどうかな。SONYが新しい解を見つけるかもしれないし、SONYじゃない誰かが新しい解を持ってゲーム業界に殴り込んでくるかもしれない。

“任天堂でもSONYでもない誰か”、今のところその可能性が高いのはやっぱり”Apple”なのかなぁ、iPhone/iPadでのゲームアプリも増えているしゲームPFとしての地位も高めつつある。Appleの話をするつもりはなかったんだけど、書き進めて行くうちにやっぱりAppleなのかなと思えて来ました…
いずれにせよ、据え置きとかポータブルとかいう市場にしがらみが無いメーカーがここを崩してくる可能性はあると思ってます、その中で一番近いポジションに居るのはAppleなのかも。

両方が生き残る可能性としては、テレビの方が高精細化(4k2kとか)してゲーム機にもそれなりの性能が求められるようになると、やっぱり据え置き型は高性能じゃないとみたいなことになるのかもしれませんが、震災以降そんなインフレ的なマインドは時代錯誤という風潮になっているように思いますしね。

まぁ、この考えが当たっているのかどうかはそう遠くない未来に答えが出ているように思います。どうなっているのか楽しみです。