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8月31日、丹波市災害支援ボランティアの活動に参加しました。行き先は、丹波市市島町。「丹波市春日福祉センター・ハートフルかすが」で受付やボランティア保険の加入手続き(費用は丹波市災害ボランティアセンターで負担)を済ませてから、拠点となる丹波市役所市島支所へ移動。オリエンテーションを受けてから、担当することになった「西山酒造場」という造り酒屋さんへ向かいました。

お手伝いしたのは、泥に浸かった酒瓶を洗う作業。目的は、保健所の検査を受けて商品として販売できるかどうかの判断を受けるためと、破棄しなければならない商品を明らかにして国税庁に届け出るため。お酒には酒税がかかるため、勝手に破棄すると脱税になるのだそうです。

正直なところ「この状況で、そんなことを言わなくてもいいじゃないか。」とは思いましたが、やはり役所としては勝手にルールを無視するわけにはいかないのでしょう。政府が特別措置を講じればいいのでしょうけれど、それを悪用する輩が現れるということなのでしょうか。そうだとすれば、なんとも言えない気持ちです。

そのような理由ですので、酒瓶を洗うといっても商品として販売できるレベルまで綺麗にするのではなく、まずは泥を落とすことが目標。お風呂よりも大きな樹脂製の容器(酒粕メーカーの名前が描いてありましたので、本来は酒粕を入れるもののようです)に水を溜め、そこに泥で汚れた酒瓶を入れて、一本一本手で泥を拭って上げて行くという作業を行います。

参加する前は「ショベルを使って泥かき」といった作業を想定していましたので、「瓶を洗うだけなら重労働ではないかな」と思ったのですが、やってみると思った以上に重労働。最初のうちはそれほどでもなく、みんな会話をしながら進んでいたのですが、午後は口数も少なくなり、時間も長く感じるようになりました。瓶を落として割ってはいけないので神経を使いますし、水に浸けた酒瓶を取り出して上げる作業はかなり足腰にきます。そんな作業を11時ごろから1時間のお昼休みを挟んで15時まで、計3時間程度行いました。

おそらく、商品としてのダメージは泥に浸かって汚れたことよりも、外に出して日にさらされたことの方が、品質的な影響が大きいのではないかと思います。また、瓶本体についた泥は比較的簡単に落ちるのですが、キャップのスクリュー部分に入り込んだ泥を取るのは難しく、これを取って商品として再生するためには詰め替えが必要なように見えました。

しかし、ダメージを受けたのは出来上がった商品だけでなく、お酒を作るための設備も含まれますので、詰め替えも難しい。つまり今回被害を受けた商品のほとんどは、販売することができないのではないか?と思っています。これは、あくまでも私個人の予測です。

杜氏さんも復旧作業に従事されているのですが、約束しているイベントがありそちらに行かないといけないこともあったり、金庫も被害を受け現金が扱えず(お金は残っているけれど、濡れてしまっているのでそのままは使えない)、残ったお酒での商売もままならない状況。そんな状況なのに、ボランティアのみなさんに声をかけ、頭を下げる様子には胸が張り裂けそうな思いをしました。

「胸が張り裂けそうな思い」こんなことは、そうそうあることではありません。胸がいっぱいになり、体が引き裂かれるのではないかと感じるような思い、そんな思いをしながら「西山酒造場」のみなさんに見送られて帰ってきました。

ひとりでも多くの方のご協力をお願いします

9月からボランティアの受付場所が一カ所になるなど、事態は終息に向かっているように見えます。確かに、復旧が進んでいることは間違いないのですが、まだやらなければならないことは多く、ボランティアの力が必要です。仕事や学業を持っていれば、同じ人が何度も参加することは難しい、ひとりでも多くの方のご協力をお願いします。

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