NICT(独立行政法人情報通信研究機構)やATR(株式会社国際電気通信基礎技術研究所)などの研究成果が見られる「けいはんな情報通信研究フェア2009」へ行ってきました。

まぁ、半分個人的興味、半分仕事的感覚なわけなんですが、なんとなくけいはんなプラザ周辺のちょっと雰囲気も好きだしということで、ブラっと。

一部は製品(サービス)化されているものの、ほとんどのものが研究段階のもので、

・人間の脳の働きのロボットや情報処理への応用
・人間型ロボットの制御技術
・次世代高速無線LAN
・画像認識、画像処理
・音声認識、翻訳システム、言語処理
・メガネ不要の3D表示システム
・ユーザーインターフェース技術

等が展示されていました。講演とか研究発表会もあってそちらだともっと面白い話が聞けたのかもしれませんが、時間的な都合で展示だけ見てきました。
いくつか紹介します。

・しゃべって翻訳(音声認識翻訳&音声合成システム)
しゃべって翻訳

これはすでにdocomo向けの携帯電話の一部には入っているそうなのですが、携帯電話に向かって話すと英語や中国語などに翻訳されて、翻訳結果を画面に表示したり音声合成によって音声として出力したりできるというもの。携帯電話側で翻訳処理を行っているのではなくて、サーバー側に音声データを送り、サーバ側で処理した結果を携帯電話に返すというものなので、携帯電話の通信が発生します。(通信できない場所では利用不可)

自分も試してみたのですが、なぜか認識されなくて説明員の方がやってみせてくれました。海外旅行先で使えたら便利なのかもしれませんが、何しろ認識率が悪くて失敗ばかりしていたので、パケット代が心配です。特に海外での利用ともなればパケット定額の適用外になるでしょうし…
でも、説明員の方の言葉は的確に翻訳していました。

・画像合成
画像合成技術

カメラで撮影した人間の写真とあらかじめ用意した動物の写真を合成して、面白い写真を作るというもの。子どもたちが楽しそうにやっていました。

・小型力覚デバイス
小型力覚デバイス

写真右側のケーブルでつながった物体を二本指で挟んで操作すると、画面上の箱を掴んだ感覚がわかるというもの。将来的にはわしづかみみたいなものも目指しているそうなのですが、とりあえず当面は二本指で小型化を目指すとのこと。3Dの世界のユーザーインターフェースを実現する要素にはなりそうな気がしました。

・ユビキタスホーム
ユビキタスホーム

家の中にセンサーやエージェントロボットがある未来の家です。何が”ユビキタス”なの?と聞いたところ、「ユビキタスというのはあちらこちらにあるという意味で、この家の床には圧力センサーがしこまれていて、あちこちにセンサーがあるんです」とのこと。世の中で認識されているユビキタスなイメージとはちょっと違うような…

圧力センサーや人感センサーで人の存在や場所、移動を認識して行動パターンを記憶して、その人の好きな状態(例えばエアコンの温度調節とか)をやるんだそうです。

ここでは、実際に被験者の方に泊まってもらって実証実験もやっているとかで、部屋中のいたるところにカメラが埋め込まれていました。最初、センサーとして動いているのかと思い、これだけのセンサーがないとダメなのかと思いましたが、あくまでもモニター用らしいです。

エージェント

で、この子がエージェントロボット。チャンネルの変更とかもこの子に指示するとやってくれて、そこでもやはり行動パターンを覚えてくれるんだとか。でも、テレビのチャンネルって見たい番組がある場合はドンズバで言えるけど、今なにやってるのかなって感じで見る時にはそういうチャンネルのかえ方はしないよね、とかちょっと思ってしまいました。

と、まぁ多少否定的なことも書きましたがあくまでも研究段階なのでまだまだ課題が多いのは仕方がないことなのでしょう。
今日は休日で、ロボットとか子どもが喜びそうな展示も多かったことから家族連れでの見学も多かったです。子ども達は興味津々で見ていましたが、彼らにはどう映っていたのかな。

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