日本テレビの「きょうの出来事」で有名な櫻井よしこさんのエッセイ。仕事のこと、政治のこと、宗教のこと、ほぼすべての点において共感できるポイントの多い内容でした。
agree to disagree
特に気に入っているのは、「agree to disagree」ということ。「互いの意見が異なることを認め合う」という意味です。
国同士のような大きな話だけでなく、個人にも言えること。会社や学校や家族も含めた様々な組織で、人と人が関わる以上異なる意見が出るのは当然のこと。そういった違いが存在する、という前提でコミュニケーションすることで回避できる衝突もあると思います。これをより多くの人が理解すれば、世の中の多くの諍いが回避できることでしょう。
長らく生きてきて、色んな人と関わると「他人の考え方や行動」が気になって一言もの申したいと思ったり、何かを止めさせたいと思ったりすることもしばしば。
逆に「あの人に好かれたい、嫌われたくない」という想いなどから他人の考え方や行動に自分を沿わせようとして、それが負担になってしまう。
他の人と無駄な諍いをしないために、自分というものをしっかり持つためにも「agree to disagree」という考え方は大変重要だと思います。
芯の強さと、しなやかさ
宗教、政治、仕事、家族様々な事柄について、櫻井さんらしいトーンで語られています。
全般的にですが、特に家族との関わりの部分で、櫻井よしこさんの芯の強さと穏やかでしなやかなもの言いが感じられます。以前から櫻井よしこさんは好きでしたが、この本でより一層に好きになり、これからも彼女の発信することに耳を傾けていきたいと思います。