マリアビートル

東京から盛岡へ向かう新幹線の中、偶然?乗り合わせたちょっとヤバい事情のある面々が複雑に絡み合う物語。「グラスホッパー」の続編的作品ですが、グラスホッパーを読んでいなくても楽しめます。

でも、やっぱり「グラスホッパー」を読んでおいた方が面白く読める作品。登場人物の絡み合い方の複雑さは、伊坂幸太郎作品らしいなと思いましたが、意外だったのはスピード感。海外のアクションドラマを思いこさせるようなアクションシーンもあり、これはハリウッドで映像化して欲しい作品です。

今まで読んだ伊坂幸太郎作品では最高傑作と言えます。最後の方はニヤニヤしてたのが自分でもわかるぐらいハマりこんでました。

これは絶対オススメ、そして「グラスホッパー」を読んでから読むこと!(あれ?)

オー!ファーザー

父親4人を持つ高校生が主人公の物語。父親が4人であること以外にも、全体的にとっぴな話なんですけど、淡々と進む感じがなんとも微妙な空気感を産み出す、伊坂幸太郎ワールドです。

筋に触れることはさておき、本作品は文庫でも540ページあるのですが、終盤の100ページぐらいで一気に展開が進みます。その前の400ページで散々はりまくった伏線をひとつ残らず回収していく展開は、爽快感満点です。

あまりにも伏線が多すぎて、終盤になって「あー、そんな話もあったなぁ」と思うほど。伊坂ワールドは、長編ほど楽しめるというのが私の中での定説です。 🙂