実は、この手の本の感想を書くのはとても難しいのです。なぜかというと、この手の本のテーマが今の自分の職業に直結しているから。思ったことを書くと赤裸裸な内容になってしまう可能性が…だから読むわけでもあるんですが、あまり思ったことをそのまま書けないのです。

で、別に後だしじゃんけんをするつもりはありませんが、この本に書いてあることは大抵知っていたり、こういうことじゃないかなぁというレベルで自分でも考えていたりすることだったりしますし、おそらくそういうことが書いてあるんじゃないかなと思っています。

だったら、なぜ読むのか?それは頭の整理のためです。なにしろこの業界いろんな要素が絡み合っていて、いろんな観点があって難しいんですから…

もっとも整理できたからといって、その先にあるものが見えてくるのか?というのは別で依然として問題は残ってきますし、そこは自分で考えないといけないんですけどね。そういう意味で一番興味深かったのは第6章ですね、特にソニーのところ。
ここに関しては、正直「そうかな〜?」と思ってます。ソニーの場合は、メーカーという側面以外にコンテンツホルダーという性格を持ち合わせているところもありますので単に他のメーカーと同じ事情ではないかなと思います、具体的には書かないけど…

東日本大震災で起こったこと、影響を与えたこと、それらによって気付いたこと気付かされたことが有ったという点もその共感できます。TwitterのRetweetの意味、Twitterの中のつながりがどうやって広がって行くのか?ということを東日本大震災を機に気付いた方も多いと思います。
色んな意味でネットワークが制御可能であることに気付いた方も多いと思いますし、そこにビジネスチャンスがありそうだということに気付いた方もいるんじゃないかと思います。そういう意味でも東日本大震災は大きな影響を与えたと自分も思っています。

この本、出たのがAppleのWWDCの前、つまり”iCloud”の発表前なんですよね。変化の激しい分野ですから”本”という媒体では起こりがちなことなんですが、”iCloud”の発表を受けてからの執筆だったとしたら全体的にどういう内容に変わっていただろうか?というのが気になります。逆に言うと、”iCloud”の発表後の今、この本を読むと多少時代遅れ感が否めない。

“本”という媒体の限界であり、そのことはこの本のテーマとして書かれているスマートデバイスが壊しつつあるところであるというのもなかなか面白いですね。最近は、改訂版とかいうことで前の本を少し書き直したものを出すケースもあるみたいですが、それに同じ金額を出すのは抵抗がありますね。
こういったところを考えても新しい出版の形というか有償の情報発信の仕方とかありそうです。
でも、それら気付いたことが自分の仕事に生かせるかどうかが問題…

最後に、この本で気になったのは誤植の多いこと、覚えてる範囲で書くと…

誤:搭乗
正:登場

誤:後継
正:後傾

誤:LET
正:LTE

などなど、多分他にも有ったはず…特にLTE→LETの誤植は一瞬何のことかわかりませんでした(笑)

ちょっと気になるところがあって、この本読んでみました。
内容としては、第1章〜第2章でセルフブランディングとはどういうことか?何が必要か?、第3章ではそれをSNS上で実践する上でポイントとなること、第4章では第3章で述べられたポイントを実践するための具体的なTwitterやFacebookの使い方の説明という構成。
既にTwitterやFacebookを使いこなしている方なら、第3章まで読めば何をしなければいけないか?はわかると思います。

共感したポイントはたくさんありましたが、いくつか挙げてみると…

  • “サードウェイ”という仕事でもプライベートでも無く、その間に位置する第3の生き方。これは自分も10年ぐらい前からかなり意識しています。自分の価値を明確にすることで特定の会社に頼ることなく生きて行く力を付けることが重要というのは本当にその通りと思います。別に会社をやめることを勧めているのではなくて、そういう力があれば会社の中でも能力を発揮できる筈という意味で。
  • なりたい自分を追い求めるということと、今の自分を発信することは別。もちろん、なりたい自分を目標として置くためにあえてそれを標榜するというやり方もあると思いますが、それはブランディングという話とは違う話なので、ブランディングということで言えばやはり今の自分の強みを表現・発信していくことが大切。
  • 表現方法は文章や写真による情報発信だけに限らない。例えばTwitterで誰をフォローしているのか?ということもその一つ。やたらとフォローを増やしたがる人がいますが、自分の関心のある人、関心のある分野の人をフォローすることで自分自身がどういうところに関心があることを示すことになる。とにかく自分の軸を示すことはすべてが自分を表現することになる。
    自分も最初の頃はとりあえずフォローされたらフォロー仕返すとかしてましたけど、ある時を機に関心の無い人はフォロー外すことにして、今はかなり整理された状態になっています。ブランディングのつもりは無かったけれど、自分の軸を明確にするってのは大切。
  • ツールは使い分ける。私もblogを以前はとにかく毎日書く事を目標にしてましたが、2010年4月からTwitter/Facebook/blog/Homepageの使い分けをするようにしました。こうすることで、自分の中で何をどういう形で発信したいか?というのは明確になりました。
  • などなど、挙げればキリが無いぐらい共感するポイントが多いです。そのほとんどは実践していることばかりだったので、「あぁ、自分がやってることはセルフブランディングに繋がっていたんだ」と気付かされました。

    というのも冒頭に書いた気になったこととは、とある方に「あなたはブランディングが出来ているよね」と言われたことがあったからなのです。自分としては別にブランディングという言葉を意識しているつもりはなかったのですが、つまりは自己表現ということだったのですね、そういう風に見られているというのはなんとなく嬉しいです。まだまだ出来ていないことが多いですが…

    この本、タイトルは”Facebook×Twitterで実践するセルフブランディング”ですが、要はセルフブランディングのツールとしてSNSが使えます、活用しましょうという話であって、SNSでなければ出来ないことではないということはお間違いなく。

ちょっと前の話ですが、E3で発表された”Wii U”の話です。
E3で発表された”Wii U”、正直ガッカリしたというか多くの方があまり新しい感が無いと感じたのでは無いかなと思っています。WeとYouというコンセプトワードは悪くないと思うのですが、商品としては既存のWiiに新しいオプションを付けましたぐらいにしか見えなくて、DSとかWiiが出た時の新しい体験が出来そうな感じが伝わってこない。多分、それほど新しい体験はないんじゃないかと思ってます。

私自身は、家庭用ゲーム機の世界で”据え置き”と”ポータブル”の2つの系統がこれからも残って行くとはあまり思ってなかったので、そういう意味ではそこに新しい答えを任天堂が出してくるのでは?と思っていたのですが、そうでも無かったようで”据え置き型”と”ポータブル型”の延命策に出たなという印象でした。

従来のように据え置き型=高性能、ポータブル=低性能という図式はもう無くなりつつあると思うのです。技術的にはポータブル機でもFull HD(1920×1080)の表示性能は実現可能だと思います。
なので、Full HD対応DSを出して、テレビにつなぐようのDockみたいなのを出せば、持ち出した時はポータブルゲーム機として、帰ってDockにおけば据え置き型機として使う、みたいなこともそんなに難しいことではないのかなと思います。ソフトも大きな筐体を必要とする光学メディアではなくてネットからのダウンロード販売が可能になりますから、光学メディアを搭載する→大きな筐体が必要ということもありませんしね。

おそらく、ですが。この議論は任天堂やSONY内部ではおそらく起こっているのでは?と思っています。
でも、それをやってしまうと従来DSとWiiという2種類のハードウェアとそれぞれ用のソフトが売れて利益を出すことが出来ていた二つの市場が一つになってしまいます。メーカーが自ら自分の市場を小さくする意味はないですもんね。

任天堂としては、DSを売り、Wiiを売って利益を出すという今の形を継続したい、もしそこを崩すなら新しいビジネスの形を見いださないといけない、でもそれが無かった、だから延命策としての”Wii U”なのかなと。そういう意味では”PlayStation Vita”も同じように思います。”PlayStation Vita”は普通にPSPの正常進化に見えていて”Wii U”ほど違和感を感じなかっただけで、抱えている問題は同じかも。

とりあえず、現行”Wii”との後方互換性の維持という建前でなんとか今回は成立したかもしれないけれど、その次はどうかな。SONYが新しい解を見つけるかもしれないし、SONYじゃない誰かが新しい解を持ってゲーム業界に殴り込んでくるかもしれない。

“任天堂でもSONYでもない誰か”、今のところその可能性が高いのはやっぱり”Apple”なのかなぁ、iPhone/iPadでのゲームアプリも増えているしゲームPFとしての地位も高めつつある。Appleの話をするつもりはなかったんだけど、書き進めて行くうちにやっぱりAppleなのかなと思えて来ました…
いずれにせよ、据え置きとかポータブルとかいう市場にしがらみが無いメーカーがここを崩してくる可能性はあると思ってます、その中で一番近いポジションに居るのはAppleなのかも。

両方が生き残る可能性としては、テレビの方が高精細化(4k2kとか)してゲーム機にもそれなりの性能が求められるようになると、やっぱり据え置き型は高性能じゃないとみたいなことになるのかもしれませんが、震災以降そんなインフレ的なマインドは時代錯誤という風潮になっているように思いますしね。

まぁ、この考えが当たっているのかどうかはそう遠くない未来に答えが出ているように思います。どうなっているのか楽しみです。