境遇

生まれてすぐに施設に預けられ育った絵本作家と新聞記者の二人の女性の「境遇」を取り巻く物語。とでも言えばいいのかな、湊かなえ作品としてはかなり内容が薄いです。

2,3年前に単発ドラマとして放映されていたのを少しだけ観た記憶があって、その原作だったかなということで読んでみたのですが、ドラマの内容と寸分違わず。

大抵、原作よりもドラマの方が端折られていることが多いので「なぜ?」と思ったのですが、答えは簡単でドラマのために書き下ろしされたものだったからです。最初からドラマ化することを念頭に書かれたものだったのですね。

冒頭にも書きましたが、とにかく深く複雑な湊かなえ作品から比べれば圧倒的に薄い内容で、がっかりするかもしれません。ストーリーとしては悪くは無いのですがありがちな結末で新鮮味もありません。個人的にはあまりおすすめ出来ない一冊でした。

ABC創立60周年記念スペシャルドラマ「境遇」

STAR TREK Into Darkness

オリジナルシリーズをベースにキャストを一新して製作された劇場版”STAR TREK”の2作目を観てきました。前作がキャスト総入れ替えということでどうなるのかなと思っていましたが、オリジナルの雰囲気を壊すことなく新しいキャストがそれぞれのキャラクターを演じていて、且つ最新の特撮技術で表現された映像は洗練され、よりリアルに未来を表現していたので、オリジナルシリーズファンでも十分納得いく内容でした。で、この2作目にも期待していたのですが、期待以上の作品でした。

ストーリーはネタバレになるので触れませんが、オールドファンなら「あー」と思うこと間違いない。「どっかで聞いた名前」「どっかで見たシーン」も出てきます、もっとも「どっかで見たシーン」と本作のそのシーンでは立場が逆なんですが^_^;

IMAX 3D 字幕で観てきましたが、IMAXで観る価値のある映画でした。最初から最後まで大迫力の連続で、特に終盤は「もうこれで終わりかな?」と思っても次から次へと展開が進み、最後まで息のつけない状態で観終わってからぐったりって感じでした。

IMAX 3Dの迫力は凄い、高精細な3D映像は自分がそこにいるような臨場感を与えてくれます、エンタープライズのブリッジを外から見たところなんてまさしく敵の視点が、部屋の中のシーンは自分が同じ部屋にいる感覚を再現してくれます。槍とか残骸とかが自分に向かって飛んでくるので思わず反応してしまいます^_^;

古い話を知ってる人なら「ニヤッ」と楽しめますが、知らなくても十分楽しめる作品です、是非3Dで出来ればIMAXで観ることをおすすめします^_^。

空飛ぶタイヤ

実際にあったトラックの脱輪事故とリコール隠しをモチーフに財閥起業が抱える闇の部分と倒産寸前に追い込まれた運送会社の社長の他それに対決する人々を描いた作品。

もちろん作品としてはフィクションなので会社の名前などは実在しないものですが、実在の事故やリコール隠しを知っていればどの会社のことかわかります。

特にこの物語については、モチーフとなった事件があるので結論はかなりハッキリ見えているわけですがそれでも面白い、「どうなるのか?」ではなくて「どうやっていくのか?」という結論ではなくて過程が面白いんですね。

ドラマの「半沢直樹」から完全にハマってますが、この物語も形としてはほぼ同じで、

  1. 権力や地位を利用して悪どいことするやつがいる。
  2. それに立ち向かっていく主人公がいる
  3. 戦う主人公を支える家族がいる
  4. 戦う主人公を支援する同僚とか友人がいる
  5. 家族の方でもちょっとしたトラブルが起こる

みたいなフォーマットがあるかなという印象。

まぁ、言って見れば現代の「水戸黄門」ですね「水戸黄門」とか「遠山の金さん」に通じるところがあります。人間ってそういうのが好きなんだと思います。

次は「ロスジェネの逆襲」かな。