6月30日に大阪産業創造館で開催された”Firefox Developers Conference 2012 in Osaka“に行ってきました。テーマは、”それ、もうWebでやったらええんちゃう?”で、6セッションと懇親会がありました。

  1. Webこそがプラットフォーム!
  2. Web開発者ツール、使いこなせてますか?
  3. 才色兼備なグラフィックス SVG が魅せる Web の未来
  4. Web プラットフォームのためのアプリ開発
  5. ライトニングトーク
  6. Writing HTML 〜これからの HTML の書き方〜
  7. 懇親会

各セッションの感想を。

  1. Webこそがプラットフォーム!
    開始時刻に間に合わなかったので、代表理事瀧田さんのお話は聴けず、既に浅井さんのお話になっていました。内容は、mozillaが目指している端末ベンダーの垣根もOSの垣根も越えた真にオープンなプラットフォームの実現、それを自分たちの手で実体として実現させる”Boot to Gecko”の話、WebアプリのMarketplaceの話が中心でした。「端末ベンダーの垣根もOSの垣根も越えた」と言いながらmozilla自身が”Boot to Gecko”という形で端末に組み込むプラットフォームを作るのはどういうこと?と思われるかもしれませんが、これはあくまでも一つの選択肢ということ。他のOSの上にFirefoxをインストールしてもいいし、もしくは同じ仕組みをサポートするものを組み込んだ他社の製品でもいいとのこと。mozillaが目指すのはあくまでもどこかの一社に縛られることの無い真にオープンな環境。なので、仕様も公開し実装も公開してみんなが使えるようにするという話でした。

    思想としては素晴らしいと思うし、個人的には是非ともそうなって欲しいし、支持する。けれどもやっぱり色んな企業の色んな思惑が働くので、難しいかもなぁ。というのが正直なところ。本当に批判するつもりは全くないけど、でもやっぱり難しい。難しいけれどそこにチャレンジしていく、そういう世界が来て当然と思っている彼らはスゴいのかも。「難しい」という一言で思考停止してる方が問題かもしれません。

  2. Web開発者ツール、使いこなせてますか?
  3. 正直、このセッションはつまらなかったです ^^; すみません…
    要はFirebugと標準の開発ツールでデバッグやサイトの表示が確認出来ますということをディスカッション形式で話していたのだけれど、なんとなくポイントが絞り込めてなくて、結局Firefoxって良いの?どうなの?みたいな感じになってたような気が…

  4. 才色兼備なグラフィックス SVG が魅せる Web の未来
    SVGって何?どんなこと出来るの?どう書くの?といったところを網羅的にお話してくださいました。SVGなんて全く関係ない世界だと思ってましたが、ちょっとしたものなら簡単に出来そうなのでちょっとやってみようかと感じさせてくれました。Retina MacBook Proが出て、これからピクセル密度が変わってくるとSVGの果たす役割は大きいと思うので、上手い下手は別としてSVGは理解しておきたいです。
  5. Web プラットフォームのためのアプリ開発
    一言で言うとMarketplaceの話で、どれだけ簡単にWebアプリをMarketplaceで配信できるようにすることが出来るか?アプリの信頼性はどうやって担保するか?(ユーザーレビュー)、課金の仕組みは?といったことが話されました。
    Marketplace自体、まだ開発途中でこれから変わる可能性があるということでしたが、おそらく基本的な仕組みは完成していて、課題は信頼性担保の部分かなと思います。バイナリのアプリと違ってWebは後で改変出来てしまいますからね。バイナリアプリでも全てを確認することは難しいですが、Webは更に難しい。善意のユーザー、開発者ばかりでは無いと思うので、ここをどう解決するか?を考えなければプラットフォームとして認められるのは難しいかな。もちろん、そこは検討が進んでいると思うので、期待しています!
  6. ライトニングトーク
    HTML5-west.jpの村岡さんの楽しい司会で行われたLT、「5分になったら強制終了です」と言ってたけど、みんな時間内に終わらせるので「面白くない」を連発してました。最後に司会にも知らせていなかったシークレット登壇者の瀧田さんがmozilla factoryの取り組みを紹介。

    中高生を中心にモノづくりの考え方を育てようというもの、これかなり面白そうです。自分が中学生だったら是非やってみたい。

    特に、Mechha-Mozillaが面白そう。Webサイトを実体化するという考え方で、Webからカクテルを作るシステムは面白い。懇親会の会場に実際に動かしていたので、私も作ってもらいました。

    Webサイトをカクテル化するシステム

    うちのサイトをカクテル化すると…

    こんなカクテルになりました。味は見た目通りのオレンジベースで、美味しかったです 😉

  7. Writing HTML 〜これからの HTML の書き方〜
    最初に、株式会社ミツエーリンクスさんが自社サイトのレスポンシブ対応について講演された後、村岡さん、秋葉さんを交えてのパネルディスカッションでした。株式会社ミツエーリンクスって、今回初めて聞いたのですが、レスポンシブWebサイトの構築ではかなりレベルの高い会社みたいで、実際スゴくよく出来てます。
    話の中で、

    • mobile first
    • 特定のデバイス(iPhoneとかiPad)をターゲットしない

    というのが印象的でした。また必ずしも全てのサイトをレスポンシブにする必要はないということも仰っていて、冷静に見てられるなぁという印象でした。でも、確かにその通りだと思います。レスポンシブにすることが目的になってはいけません。

  8. 懇親会
  9. このイベントそのものが無料で、懇親会も無料なのに、普通に立食パーティのようなとっても豪華な内容でした。mozillaの方やそれ以外の方とお話する機会もあったし、抽選会でグッズもいただいたし、Conferenceそのものの内容もよかったし、これ全部無料でいいんだろうか? 😉

最後に
mozillaが目指す真のオープンって、理解する人としない人ははっきり分かれるだろうなと思います。”Voluntary”で成り立つ世界、そんな気がする。”Voluntary”とは単に無償でということではなくて、”自分の意思で”参加することが必要。そういった方がどれだけいるのか?そういう人間が多くなればかなり現実的になるのかも。そういう意味で、人材育成からやろうという”mozilla factory”のアプローチはアリと思います。何か協力出来ることがあればしたいなと感じさせられた、そんな一日でした。

あと、「それ、もうWebでやったらええんちゃう?」ともあらためて思いました。;-)

重力ピエロ

なんとも不思議なタイトル、そして読み終わって「なるほど」と思うような思わないような、不思議なタイトル(笑) 登場人物のひょうひょうとしたキャラクター、でも彼らが背負う思い過去、それに決着を着けるシーン、全体の筋としてはとても重苦しいものなんだけど、父、泉水、春、特に父と春かな?のひょうひょうとした感じがそれを打ち消しているようなイメージ。まさしく重力に逆らうように。

ストーリーとしては、なんとなく読める部分もあり、ものすごくシンプルなんだけど、全く退屈しなかった。この空気感の作り方は、伊坂幸太郎独自の世界やな〜。

これも映画化されてるのを初めて知った。これも映像で見てみたい。

というところで、とりあえず手元のストックが無くなった、次は何を読もうかな?